耐震等級とは?
多くの方がご存じのように、日本は世界有数の地震が多い国のひとつです。日本周辺は、太平洋プレートやフィリピン海プレートなど、複数のプレートが作用しあって複雑な力がかかるため、小さな規模の地震から大きな規模の地震まで、さまざまな地震が起こる地震多発地帯となっています。
そんな日本で夢のマイホームを建てるとなると、押さえておきたいのが家の耐震等級です。
耐震等級の区分
耐震等級とは、住宅の性能を等級などで表す「住宅性能表示制度」の等級項目のひとつ。耐震等級は1~3まで分かれており、耐震等級3が最も耐震性が高いということを表します。
耐震等級1
倒壊・崩壊のしにくさ:数百年に一度程度発生する地震によって、建物が倒壊・崩壊しない程度
損傷の生じにくさ:数十年に一度程度発生する地震によって、建物に損傷が生じない程度
建物例:建築基準法によって建てられた一般的な住宅
耐震等級2
倒壊・崩壊のしにくさ:等級1の1.25倍の耐震性能
損傷の生じにくさ:等級1の1.25倍の耐震性能
建物例:病院、学校など避難所になる建物
耐震等級3
倒壊・崩壊のしにくさ:等級1の1.5倍の耐震性能
損傷の生じにくさ:等級1の1.5倍の耐震性能
建物例:消防署、警察署など防災拠点となる建物
数百年に一度程度の地震とは、2011年に起きた東北地方太平洋沖地震や、2016年の熊本地震などの震度7の大地震のことを指します。現行の建築基準法によって建てられた住宅であっても、複数の全壊・倒壊事例があがっていることから、このレベルの大地震が複数回起きれば、耐震等級1では命は守れても住み続けるのは難しいと考えて良いでしょう。
マイホームの耐震等級の決め方
マイホームとして一戸建てを建てる際、耐震等級を決める目安としたいのが地震保険の割引です。
解説してきたように、地震大国の日本では、耐震等級3の住まいづくりが、最も安心して暮らせる家づくりに繋がります。また、大事なマイホームにはほとんどの方が火災保険をかけますが、その中でも地震保険の割引として耐震等級が指標として使われています。家を建て終えた後も支払いが続く火災保険の割引は、大きなコストカットとして重要なポイントです。
「耐震等級割引」では、耐震等級1で10%、等級2で30%、等級3で50%の保険料の割引がつきますが、この割引率は保険会社共通で差異が出ることはありません。
地震保険で適用される割引制度は、重複して適用を受けることができません。割引率50%が適用されるものに「免震建築物割引」がありますが、免震構造の技術はまだ新しく、対応している施工店やハウスメーカーは少ないため、「耐震等級割引」を最大限使える等級3の家づくりをすることが、安心して長く住むことを考えてもベストでしょう。
R+house木更津では、家づくりのプラン作成時に、基本的には耐震等級3の取得を組み込んでご提案しております。建築費用は上がりますが、長期的に考えれば耐震等級3を取得する方が、費用を抑えることができる場合が多いため、ご案内しております。
耐震工法とは?
耐震等級を高めるための耐震工法は多くあります。
例えば「2×4工法」や「2×6工法」という工法は、柱と壁面で建物を作って支えることで、地震の揺れを建物全体で受け止めて力を分散させるため、建物のねじれや変形を抑えることができます。東日本大震災や熊本地震でも、この工法を採用した住宅の被害は少ないのが特徴です。しかしながら、この工法にはデメリットもあり、コスト調整の難しさや、建物設計時の自由度が少ないことが挙げられます。
また、「RC(鉄筋コンクリート)工法」も有名で、鉄筋とコンクリートの2つの素材を組み合わせて高い強度の建物を作ります。耐用年数が木造より長く、耐震性や耐久性、耐火性、遮音性に優れており、設計における自由度も高い工法ですが、コンクリートを使う作業に時間がかかり、定期的なメンテナンスが必要というデメリットもあります。
他にもさまざまな耐震工法がありますが、メリットがあればデメリットも存在します。家づくりの際には、納得できる方法を見極めることも大切です。
千葉県南部地域の災害情報・災害リスクは?
ここからは、木更津市、袖ヶ浦市、君津市、富津市の過去の災害情報や災害リスクについてご紹介します。
耐震等級別被害状況
2016年に発生した熊本地震の際、千葉県では、木更津で最大震度0.8でした。
しかしながら、最大震度7を観測した熊本県益城町では、耐震等級1の建物の中で、約40%の建物が倒壊もしくは損傷を受けました。
耐震等級2になると耐震等級1の1.25倍にあたる耐震性を有することから、安心して住めると考えてしまいそうですが、避難所にされた建物でも損傷が見られ、地震後に避難所として継続使用できないとされる建物が33.6%と報告されています。
耐震等級3では耐震等級1の1.5倍の耐震性を有していることもあり、震度7を観測した益城町の耐震等級3の建物のうち、12.5%の建物が軽微な損傷のみで済みました。このことから、耐震等級3の住宅の重要性が読み取れます。
千葉県南部地域の地震災害リスク
千葉県南部地域の各市別の地震災害リスクをまとめました。耐震性の高い家づくりを考える際の参考にしてみてください。
袖ヶ浦市
全体では揺れにくいと予測されているものの、木更津市岩根から木更津市との境に添うようにして、飯富、下新田、横田、根岸などが、最も揺れやすいとされています。また、震度6強の巨大地震が起きた際には、海岸沿いがJR内房線付近まで、液状化現象が起こると予測されています。
木更津市
木更津市では海岸沿いが少し揺れやすいと予測されており、岩根から下望陀までを袖ヶ浦市の境を添うように、揺れやすさが最も高いと予測されています。また、震度6強の巨大地震が発生した際には、海岸沿いがJR内房線付近まで、液状化現象が起こると予測されています。
>>木更津市で地震に強いエリアは?耐震工法の種類など詳しくはこちら!
君津市
君津市では海岸沿いが少し揺れやすいとされ、君津から小糸川に沿って塚原付近までが最も揺れやすいと予測されています。また、震度6強の巨大地震が発生した際には、海岸沿いがJR内房線付近までと、君津から小糸川に沿った外箕輪までに、液状化現象が起こると予測されています。
>>君津市で地盤が安全な土地はどこ?ハザードマップでチェックしよう
富津市
富津市では北西部海岸沿いや、青堀駅を中心とした君津市との境付近一帯、大貫周辺などが揺れやすいと予測されています。また、震度6強の巨大地震が発生した際には、海岸沿いがJR内房線付近まで、液状化現象が起こると予測されています。
地震に備えた耐震等級3の家づくりをするなら、R+house木更津へご相談を
木更津市や袖ヶ浦市、君津市、富津市の災害情報も併せて、耐震等級について解説しました。マイホームで命と生活を守りながら、長く暮らしていくためには、耐震等級について考えることは重要です。R+house木更津では、耐震等級3を基本として家づくりのプランをご提案しています。予算に合わせたご提案も可能なR+house木更津で、満足のいく家づくりをしませんか。ご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。
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