耐震とは地震に強い家
耐震とは、建物の柱や壁、梁、筋交いなどを強化し、構造体そのものの強さで地震の揺れに耐え、建物の倒壊や損傷を防ぐことです。
地震に対する耐震性を高める方法は、耐震工法以外にも制震工法、免震工法があります。
制震工法は、建物の構造体に制震装置(制震ダンパー等)を設置し、地震エネルギーを吸収する構造、他方、免震工法は、基礎と建物の間に積層ゴムなどの絶縁材を設置し、地震の揺れを建物に伝えない構造です。
戸建て住宅では、耐震工法もしくは耐震と制震工法が取り入れられることが一般的で、免震工法はマンションや高層ビルなどに採用されることが多くなります。
この記事では、耐震工法について紹介します。
耐震性を左右する耐震基準
耐震構造は建物の構造体そのものの強さを高める方法ですが、どのように基準をもとに耐震構造を実現していくのでしょうか。
新耐震基準
耐震構造に関する基準は、1981年(昭和56年)6月に旧耐震基準から現在の新耐震基準に大きく変わり変わりました(建築基準法20条)。
新耐震基準は、建築物に求められる最低限の耐震基準であり、およそ震度5程度の地震ではほとんど損傷しないこと、震度6強から7程度でも倒壊・崩壊しないこととされています。
木造住宅を新築する際には、建築確認申請(建築基準法6条等)によって耐震性が建築基準法や条例等の法律に適合しているかの確認が行われますが、求められる条件は建物の規模によって異なります。
平屋、2階建ての木造住宅など(4号建築物)
2階建てまでの木造住宅(建築基準法20条4号建築物)では以下のような仕様規定を満たすことが必要とされています。
・壁量の確保(壁量計算)や壁の配置バランスなどを簡易的な計算で確認できる
・基礎の仕様、基礎と土台との緊結、柱の太さ、梁材の欠き込み、筋交いなどの仕様が守られている
3階建ての木造住宅など(3号建築物)
3階建ての木造住宅等(建築基準法20条3号建築物)になると、仕様規定を満たすだけでなく確認申請書に構造計算書(許容応力度計算)の添付が義務付けられています。耐震強度、、耐風強度、接合部の強度、偏心などを規定された方法で計算します。
耐震等級
また、耐震性能をあらわす基準として耐震等級があります。
耐震等級は、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいてもうけられた基準で、耐震等級1〜3に分かれています。
耐震等級1は、建築基準法における新耐震基準の水準を満たすもので、耐震等級2は1の1.25倍、耐震等級3は1の1.5倍と等級が上がるほど耐震強度は高くなります。
耐震等級を取得した住宅は、住宅性能評価書によって審査に合格したことを確認することができます。
耐震性が高い耐震工法の家のメリット
では耐震工法によって高い耐震性が確保された家にはどういったメリットがあるのでしょうか、デメリットもあわせて解説します。
メリット①費用が安い
耐震工法は制震工法や免震工法と比べ費用が抑えられます。一般的に、制震工法の場合50〜100万円、免震工法は200〜300万円程度の費用がかかるといわれています。
メリット②地震保険や住宅ローン金利で優遇が受けられる
住宅性能評価制度に基づく耐震等級の認定を受けると地震保険料の割引が受けられます。
家を建てるときに建てたあと住宅ローンを利用する方はもとより多くの方が火災保険に加入されると思いますが、火災保険加入者のおよそ70%が地震保険にも加入しています。
【耐震等級割引】
・耐震等級3:50%
・耐震等級2:30%
・耐震等級1:10%
【免震建築物割引】50%
また、住宅ローンでフラット35を利用する場合、耐震等級2あるいは3を取得することで、金利の優遇を受けることができます。
メリット③地震だけでなく耐風性も上がる
台風などの強風で家が揺れることがありますが、耐震性を高めることは建物に加わる水平の力に対して強くなりますので、結果的に耐風性も上がり台風や強風にも強くなります。
デメリット
耐震工法は建物の構造体そのもので地震に抵抗対抗する手法ですので、繰り返しの地震に対しては構造体にダメージが蓄積されます。
2016年の熊本地震では震度5以上の地震が繰り返し発生しましたが、柱や梁が損傷を受けることで将来的な地震に対して十分な耐震性が確保できなくなっている可能性があります。
地震に強い家の特徴は?
建物の形状がシンプル
建物は形状がより正方形に近い方が耐震性は高くなります。
逆に、コの字型や凹凸がある形状は、地震力が一部の箇所に集中しやすく、その部分からねじれや崩壊がおきやすい特徴があります。
建物の重量・バランス
建物の重量に比例して建物に掛かる地震のエネルギーが大きくなります。3階建てより2階建て、鉄骨造より木造の方が重量は軽くなるためより地震に対して相対的に強くなります。
また、屋根の重量は使用する屋根材によって変わりますが、重量が重いほど重心が高くなるため地震の揺れが大きくなりやすくなります。
地盤・基礎の強さ
建物の耐震性が高くても地盤が軟弱だと揺れは大きくなり地震に弱くなります。地盤調査の結果によっては地盤改良などが必要となります。
また、建物の荷重や地震、風等の力を地盤に伝える基礎の役割も大切で、壁の下にのみ基礎を配置する「布基礎」より建物が接地する部分の前面に基礎を配置する「ベタ基礎」の方が地震に対して強くなります。
千葉県木更津市・袖ヶ浦の地震リスクは?
千葉県は首都圏の東側の房総半島に位置する県です。木更津市は千葉県の中西部に位置し、東京湾岸に面した湾岸都市です。
千葉県内で震度5弱以上を観測する地震も数多く記録されており、2011年の東日本大震災では震度6弱を記録しています。
国の地震調査研究推進本部作成の地震ハザードステーション(J-SHIS)に将来日本で発生する恐れのある地震の揺れを予測し、その結果を地図として表した「全国地震動予測地図」があります。
この地図を参照すると、木更津市や袖ヶ浦を含む千葉県の多くの地域で今後30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率が高い区分に該当しており、全国規模でみても千葉県は地震のリスクが高いエリアに位置づけられています。
千葉県でも動画で地震被害の想定結果を紹介していますので参考にしてください。
これらのシミュレーションはあくまでも想定されるものではありますが、これから木更津市や周辺の袖ヶ浦市、君津市などで注文住宅を検討されている方は、耐震性能にこだわった家づくりを考えるべきといえるでしょう。
参照元:千葉県の防災対策まめ知識 じぶん防災(千葉県)参照元:地震ハザードステーション(J-SHIS)参照元:大地震がちばを襲う:千葉県地震被害想定結果の概要(ちばコレChannel)
千葉県木更津市・君津市・富津市で注文住宅を建てるなら、R+house木更津へ
R+house木更津は、千葉県冨津市に拠点を構え、地域密着で注文住宅のニーズに応え続けている会社です。
自社プランだけでなくアトリエ建築家設計のR+houseプランを提供し、耐震性についてはプランに関わらず耐震等級3の取得にこだわったプランを提案しています。無料の個別相談や完成見学会も随時開催していますのでお気軽にご相談ください。
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