袖ケ浦市で災害が発生しやすいエリアはどこ?
千葉県のほぼ中央、東京湾沿いに位置し、河川や海、緑に囲まれている袖ケ浦市。自然に恵まれている一方で、なかには砂や粘性土から形成される三角州や海岸低地といった地震の際に被害を受けやすいエリアがあります。また二級河川や準用河川合わせて11河川が流れており、台風の際には氾濫や洪水などに注意する必要があります。袖ケ浦市では具体的にどのエリアにどんなリスクがあるのか、ハザードマップからチェックしてみましょう。
参考元:袖ヶ浦市|袖ケ浦市地域防災計画(案)P.36
袖ケ浦市で水害リスクが高いエリア
袖ケ浦市ではこれまでに台風や大雨によりたくさんの水害を受けています。その中で被害が大きかったものは以下のとおりです。
2013年10月
災害の種類:大雨
場所:市内全域
災害内容:土砂災害・冠水被害・氾濫など
2014年10月
災害の種類:台風18号
場所:市内全域
災害内容:軽傷者3名・住宅被害・冠水被害・土砂崩落
2017年7月
災害の種類:台風3号
場所:滝の口、久保田、神納
災害内容:土砂災害・道路冠水
2019年10月
災害の種類:大雨
場所:飯富、永吉、川原井
災害内容:床上浸水・床下浸水・道路冠水
土砂災害を受けやすいエリア
袖ケ浦市では、土砂災害警戒区域などに指定されているエリアが、2024年1月時点で207カ所あり、そのうち201カ所が特別警戒区域となっています。特に注意が必要なエリアは県道143号線沿いに多く見られ、下新田や飯富、神納、永吉、川原井などが含まれます。また、南部の玉野や吉野田、上宮田や北部の久保田なども土砂災害警戒区域です。
参考元:千葉県|土砂災害警戒区域等の指定(袖ケ浦市)
洪水・浸水被害を受けやすいエリア
袖ケ浦市には小櫃川や蔵波川、浮戸川など、複数の河川が流れています。袖ケ浦市の水害ハザードマップによると、小櫃川の富川橋北側に位置する堂谷エリアで、5~10mの洪水・浸水が想定されています。また鎗水川が小櫃川と合流する滝の口や吉野田周辺エリアも3~10mの洪水・浸水が想定されるエリアです。
小櫃川と浮戸川に挟まれる坂戸市場や神納周辺、袖ケ浦駅前エリアでは、3~5m程度の洪水や浸水が想定されています。このほか、飯富や下新田、勝、谷中、横田、百目木周辺は、0.5~3m未満の浸水・洪水が予測される地域が広がっています。
高潮被害を受けやすいエリア
東京湾に面している袖ケ浦市は、水害リスクとして高潮にも注意が必要です。高潮とは、台風や大雨の際に海面の高さが上がる現象です。高潮が発生した場合、波が堤防を越えて住宅地などに押し寄せてくる危険があります。
高潮による災害リスクが高いエリアに想定されているのは、北袖、中袖、南袖、長浦エリアと、袖ケ浦駅北側の奈良輪や坂戸市場、袖ケ浦駅前エリアです。特に袖ケ浦駅北側の奈良輪や坂戸市場、袖ケ浦駅前エリアは、3~5mの浸水リスクが想定されています。
なお市内は、人口増加に伴い都市化が進み、生活排水が原因により、浮戸川中流・上流において水質汚濁が見られています。また袖ケ浦市地先の海域は、下水道の整備が進んだことに伴い水質は改善傾向ですが、市の西部に面する海域ではまだ環境基準を満たしていません。洪水や高潮などの水害発生時には、汚染された水が流れ込んでくる可能性があるため、併せて確認しておくと良いでしょう。
袖ケ浦市で地震被害を受けやすいエリア
地震による被害を受けやすいエリアもチェックしておきましょう。袖ケ浦で過去に起きた主な震災被害は、以下のとおりです。
1987年12月 千葉県東方沖地震
震度5(銚子・千葉・勝浦)/袖ケ浦(当時観測計なし)
被害状況:家屋一部破損(長浦・平岡など)、がけ崩れ(福王神社付近・神納兵庫坂付近・野里滝泉寺付近)、液状化(中袖、長浦)
2011年3月 東北地方太平洋沖地震
袖ケ浦震度4
被害状況:家屋半壊(中富)、一部破損(長浦、平岡、中富など)、液状化
地震が発生したときに揺れやすいエリア
地震発生による地表の揺れやすさは、「地震の規模」「表層地盤」「震源からの距離」の3つの条件によって変化します。地震の規模が大きく震源からの距離が近いほど揺れは強くなり、また地表地盤がやわらかい方が揺れやすくなるのが一般的です。
袖ケ浦市の揺れやすさマップは、「非常に揺れやすい~非常に揺れにくい」の6段階に分けられています。そのうち、揺れやすい~非常に揺れやすいと分類されているのが坂戸市場の南側や神納、飯富、下新田、勝、谷中、横田、百目木周辺エリアです。
参考元:袖ヶ浦市|袖ケ浦市の主な地震災害記録
液状化しやすいエリア
液状化現象は、地震が起きて地盤に強い衝撃が加わったときに、支え合っていた土の粒子が離れてしまい、地盤全体が液体状になってしまうことです。液状化が起きると、地盤から砂や水が噴き出したり、建物が傾いたりしてしまいます。また、道路面が変形したり電柱が傾いたりするなどの被害も発生し、生活に関わるさまざまな被害が発生します。
袖ケ浦市の液状化に関するハザードマップを見てみると、液状化が起きやすいエリアは北袖や中袖、南袖のほか、横田や岩井、谷中、坂戸市場などです。しかし、液状化しやすいエリアはこのほかの地域にも点在しています。注文住宅を建てる際には、耐震や免振に考慮するとともに、ハザードマップを活用して土地探しをしましょう。
参考元:袖ヶ浦市|袖ケ浦市地域防災計画(案)<第1編 総則編>(令和3年度改訂)参考元:千葉県|土砂災害警戒区域等の指定(袖ケ浦市)参考元:袖ヶ浦市|袖ヶ浦市Web版ハザードマップ>>木更津市のハザードマップ・地盤情報についてはこちら>>君津市のハザードマップ・地盤情報についてはこちら
袖ケ浦市で注文住宅を建てるのにおすすめの安全なエリアは?
袖ケ浦市で浸水や液状化、土砂などによる被害が少ないエリアは、京葉道路の北側エリアで、大曽根や蔵波、野田、蔵波台1丁目周辺などです。また昭和中学校周辺や、蔵波中学校、代宿公民館周辺は、特に揺れにくい地域で安全性が高いと考えられるでしょう。
高台になっているのは、福王台や代宿などが含まれる市の北西部から東部にかけてのエリアで、標高は60mほどあるため、浸水や津波などのリスクは低いと考えられます。
福王台や蔵波台などは、JR袖ケ浦駅や長浦駅からも近く、周辺には長浦保育園や白ゆり保育園のほか、福王台中央公園や御園公園などがあり、子育て世帯にもおすすめのエリアでしょう。
参考元:袖ヶ浦市|袖ケ浦市の概要
袖ケ浦市で被災時に受けられる保険は保証について
袖ケ浦市では、さまざまな災害発生により被災した場合に受けられる保証制度が用意されています。
災害見舞金
被災者生活再建支援金
生活基盤に大きな影響を受け、生活を再建するのが困難な被災者に対し支給されるものです。住宅の被害の程度や再建方法に応じて支給される金額が決まっています。
このほかにも、災害により負傷した場合や死亡した場合に支給されるものもあります。対象となる災害や支給額などはさまざまで、申請期間が決められているものもあるため、あらかじめどんな制度があるか把握しておきましょう。
参考元:袖ヶ浦市|被災者生活再建支援制度
家づくりで取り入れられる災害対策は?
注文住宅を建てる際には、安心や安全のために災害を受けにくい家づくりを考えることが重要です。
水害対策
水害に強い家づくりを考える場合には、いくつか取り入れられる工夫があります。敷地に盛り土をして地盤を高くしたり、基礎を高くして高床にしたりしておくと、浸水被害を回避しやすくなります。また建物周辺に、防水性の高い外壁を設置することも有効です。このほか、キッチンやトイレを2階にするなど間取りを工夫するのも良いでしょう。
地盤改良
液状化や地震による揺れや住宅の傾きを抑えるためには、地盤改良することも重要です。液状化や揺れにくい土地を探すことも大切ですが、住みたいエリアの地盤が必ずしも強いとは限りません。液状化リスクがある土地では、耐震性能が高い住宅を建てたとしても傾いてしまう可能性があるため、地盤調査をして地盤改良すると安心です。
耐震性を高める
地震に強い住宅にするためには、住宅そのものの耐震性を高めることもひとつの方法です。建物の耐震性を高める方法は、主に「耐震構造」「制震構造」「免震構造」の3つです。一戸建て住宅の場合は、柱と柱の間に筋交いを入れたり耐力壁を設置したりする耐震構造を取り入れることが多くあります。
>>一戸建てに必要な耐震等級とは?メリットなど詳しくはこちら
袖ケ浦市周辺で注文住宅を建てるならR+house木更津へ
袖ケ浦市は、自然豊かでありながら都心への利便性も良く、住みやすいエリアです。しかし、災害はいつ発生するか分かりません。そのため、土地探しの際は、ハザードマップを活用し、水害や地震によるリスクの低いエリアを選ぶと安心でしょう。
また注文住宅を建てる際にも、耐震性能を意識した家づくりが大切です。R+house木更津では、建築士の厳密なチェックにより、地震に強い家作りを実現しています。木更津市や袖ケ浦市周辺で家づくりを考えている場合は、ぜひR+house木更津へご相談ください。