外壁の役割
まず、住まいにおける外壁の役割を確認しましょう。外壁は訪れる人や道行く人などの目に触れやすく、色や素材の表情は建物の印象を左右する重要な要素です。また、屋根と同じように建物の一番外側にあるため、生活空間や設備を雨風から守るという大切な役割があります。
外壁の種類
それでは、たくさんある外壁の中から、一般的によく使用されているものをご紹介いたします。
日本で多く使われている「窯業系サイディング」
「サイディング」は、工場で作られたボードを現場で貼り合わせて使う外壁素材です。工期が短いことや施工性の良さから、現在、戸建て住宅に採用されている外壁材の8割ほどはサイディングだといわれます。いくつか種類のあるサイディングの中で最も使用されているのが、「窯業系サイディング」。耐火性・耐震性に優れており、防火外壁材として優秀です。
レンガ調やタイル調など幅広いデザインがありますが、模様はプリント。退色や剥がれなど、劣化していくのは避けられません。また、サイディングボードを継ぐコーキングは経年劣化することから、施工後5年~10年を目安にメンテナンスが必要です。既製品であるため、比較的安価に施行できて初期費用は抑えられますが、メンテナンス費用が高くなる傾向にある外壁素材といえるでしょう。
継ぎ目がなくデザインの自由度が高い「モルタル外壁」
「モルタル外壁」は、サイディング材の次に高いシェアを誇る外壁。仕上げ方法にも種類があり、素材の組み合わせで多様なパターンを楽しめます。モルタルの外壁は、前述したサイディング材には不可欠な繋ぎ目が不要なため、見た目もすっきり。複雑な形状の建物であっても対応可能な自由度も魅力です。金属素材の外壁のように熱くなりにくいため、夏の空調経費を節約します。また、不燃性の素材でできているので炎や高熱にさらされても燃えにくく、有毒なガスを発生させることもありません。また、強風による飛来物があっても破損しにくい点も、モルタル外壁のメリットです。
ただし、自由度が高いということは、職人の腕によって仕上がりが左右される場合があるということ。信頼できる職人に施工を任せることが必要です。風合いをだすために表面に凹凸が多いため、汚れが付きやすいという性質があります。また、モルタルの性質上ひび割れが生じます。定期的なメンテナンスは欠かせませんが、きちんと手入れを行えば、永く住まいを守ってくれる心強い外壁です。
日本の風土に根差した天然素材「杉板張り」
「杉板」は防水性が高く、古くは酒樽や船にも使われてきたなじみ深い素材です。木材は乾燥状態を維持できれば、たいへん長持ちする建材。もし腐っても部分的に取り換えやすい点においても、コストパフォーマンスパの良い外壁材です。他の外壁材と組み合わせて、外観に変化を付けるアクセントとしてもいいでしょう。
また、既製品のように規格化されていない自然な風合いが魅力で、新築時から年数を重ねるごとに趣が変わっていきます。建物の経年美化を住まいの醍醐味として楽しみたい方にもぴったりの素材です。
スタイリッシュな印象を演出「ガルバリウム鋼板」
「ガルバリウム鋼板」は、金属系サイディングの一種。モダンでスタイリッシュなイメージの外観を演出できる人気の外壁素材です。屋根にも多く使われる素材で、耐久年数が長く、多くの魅力があります。また、近年のガルバリウム鋼板は耐食性に優れたアルミニウムや亜鉛で鉄板をメッキ加工しているため、サビに強いことが特徴です。ガルバリウム鋼板が持つ従来の問題点であった断熱性・遮音性の低さも、現在は大幅に改善されています。
金属性であるため割れる心配がない代わりに、凹みやすい性質という点がデメリット。さらに、専門的な板金技術を習得した板金工による施工が必要な建材です。安価なサイディング材に比べると初期費用はかかりますが、長い耐久年数などを考慮するとコストパフォーマンスが高い建材だといえるでしょう。
>>木更津市のガルバリウム鋼板の施工費用など詳しい情報はこちらもチェック!
重厚感ある仕上がり「タイル壁」
「タイル」を用いた外壁の魅力は高級感や重厚感です。立体感があり、高いデザイン性の住宅に仕上げられます。また、タイル壁は無機質の素材でできているため耐久性と強度があり、傷がつきにくく色あせもしにくいという特徴があります。汚れもつきにくく劣化も少ないので、メンテナンスは少なくて済む傾向にあることがメリット。ただし、初期費用が多くかかるのがデメリットでしょう。
シラスの力を生かした「そとん壁」
最後に、「そとん壁」をご紹介しましょう。正式名称は「外装用多機能左官壁 スーパー白洲そとん壁W」。鹿児島県にある姶良カルデラの噴火によって降り積もった「シラス」の特性を活かした、高い防水力を持つ素材です。塗壁であるため、地震などひび割れを起こす可能性はあります。
ただし、ひび割れを起こした場合も、簡便に補修できる工法が確立されています。シラスは無機質の天然セラミックなので、厳しい自然環境においても退色や劣化がおこりにくく、高い耐久性が特徴です。初期費用はかかりますが、メンテナンス費用が少なくて済むため、トータルコストは低く抑えられる優秀な建材です。
外壁の選び方
外壁の建材はそれぞれ耐久性も異なるため、メンテナンスやリフォームが必要な頻度も違います。適切なメンテナンスを行わなければ、劣化により外壁から雨漏りが起こるという深刻な事態にもなりかねません。それぞれの外壁材の機能や仕上がりのスタイルだけでなく、初期費用とメンテナンス費用などをトータルで考慮した上で選びましょう。
【木更津・君津・袖ケ浦・富津】の気候
千葉県木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市は房総半島の中西部に位置し、東京湾岸に面しています。海が近く潮風が吹くため、風が強い傾向にある地域です。冬は比較的温暖で過ごしやすい土地ですが、夏は日照時間が長く、高温で湿度が高いことも特徴。さらに、千葉県内でも都市化された地域なため、熱がこもりやすく寝苦しい熱帯夜が多い地域です。
>>木更津市の住みやすさをチェック!住宅地として人気のエリアは?詳しくはこちら
【木更津・君津・袖ケ浦・富津】にあった家づくりと外壁の選び方
ここでは、千葉県木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市の気候に合った家づくりと外壁の選び方についてご説明します。
夏の暑さ対策が重要
千葉県木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市で住まいづくりをする上で気を付けたい点は、まず夏の暑さ対策でしょう。このエリアに限らず、日本の夏は年々猛暑化していると言われています。適切な断熱材や遮熱シート、換気設備システムでしっかり夏の暑さに備えることが肝心です。
塩害に強い外壁を選ぶ
沿岸部である千葉県木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市では、潮風による塩害に注意しましょう。塩分を含んだ海風には、金属や塗装の劣化を早める働きがあります。特に海岸線から200m~500m以内を「重塩害地域」、2km以内が「塩害地域」と呼ばれる要注意エリア。しかし、風の強さや方位によって、思わぬ場所でも塩害に見舞われることがあります。海が見えない土地だとしても油断は禁物です。
塩害を防ぐためには、防水性が高くサビに強い外壁を選ぶ必要があります。まず、塩害に弱い素材として挙げられるのがサイディング材のひとつである、窯業サイディング。構成成分の多くを占めるセメントには防水機能がなく、塗料を吹き付けて防水機能を持たせています。塗料によっては塩害で容易に劣化してしまうものもあるため注意が必要。また、塩害によりボードの継ぎ目からの雨水の侵入も早くなる傾向にあります。
逆に、塩害に比較的強いといわれる外壁の種類は、杉板張りやガルバリウム鋼板などでしょう。
まず、海の近くの建物で古くから使用されてきた杉板張りなどの木材は、沿岸地域の外壁もぴったりです。もらいサビなどを除けば、木材自体は潮風を浴びてもサビない上、海風による飛来物の衝撃にも強い建材です。
また、ガルバリウム鋼板は金属の素材でありながら、耐食性が高いアルミニウムや亜鉛などで鉄板をメッキ加工しているため、サビにくい性質を持っています。
最後に、初期費用は高くなりますが、とそん壁やタイル壁も、高い耐久性により塩害対策としてもたいへん優秀です。
>>木更津市周辺の気候に適した外壁を選ぶ際のポイントについてはこちらもチェック!
理想の住まいにぴったりな外壁を
この記事では、一般的に使用される外壁の種類から、千葉県木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市の気候に合った外壁の選び方などをご紹介しました。有限会社ホンマ建設では、経験豊富な建築家と共に、地域密着の工務店として培ってきた技術を活かし、お客様の理想の家づくりのお手伝いをいたします。
ホンマ建設では随時家づくりの無料相談を受け付け中です。外壁に限らず資金計画や土地の選び方まで、家づくりでお困りのことならどんなことでもご相談いただけます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
>>木更津・君津・袖ケ浦・富津エリアの気候に合わせて建てられる高性能住宅「R+house」についてはこちら