耐震等級とは?新耐震基準と何が違う?
新耐震基準は、震度5強程度ではほとんど損傷せず、震度6強から7程度の揺れに対しても倒壊、崩壊しない基準とされており、建物内の人命を守るために必要な最低限の耐震基準です。
一方、良質な住宅を取得できる市場整備を目的とする住宅性能表示制度に基づく耐震等級は、人命だけでなく建物自体を守ることを目的とする基準です。
そのため、耐震等級は新耐震基準と比べ、より高い耐震基準が設けられていますが、耐震等級の取得は任意となっています。
注文住宅において耐震等級を取得するか、どこまでの等級を求めるかを決めるのは、施主様であり、取得にかかる費用なども考慮しながら、工務店、住宅会社と相談しながら決めましょう。
耐震等級3つの区分
住宅性能表示制度は、住宅の性能について10分野32項目(新築住宅の場合)について、国に登録した第三者機関が評価する制度です。
設計段階で住宅性能をチェック・評価する「設計住宅性能評価」と施工・完成段階に検査・評価される「建設住宅性能評価」の2種類があり、それぞれ法律に基づくマークが表示されます。
評価を受けた住宅は、住宅性能評価書が交付されます。
数ある住宅性能の1つである耐震性について定めた基準が耐震等級であり1〜3まで3つの区分があります。
参照元:新築住宅の住宅性能表示制度ガイド(国土交通省)
耐震等級1
耐震等級1は、新耐震基準と同じ基準で、震度5強程度ではほとんど損傷せず、震度6強から7程度でも倒壊、崩壊しない基準です。
この基準は、耐震性として求められる最低限の基準であり、1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災クラスの地震でも倒壊、崩壊しないが、建物に損傷が起こることは想定しているものです。
損傷の程度によっては大規模な改修工事や建て替えをしないと住めないこともあります。
耐震等級2
耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震力に耐えられる強度基準です。震度6強から7程度の地震に対しても、軽度の補修を行えば住み続けられる基準に相当します。
長期優良認定住宅で求められる耐震性能は、耐震等級2以上となっており、災害時の避難場所として指定される小学校や病院など公的施設には必須の基準となっています。
耐震等級3
耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる強度基準です。震度6強から7程度の地震に対しても損傷がないかあるいは小さく、その後の大きな余震にも耐えられる基準です。災害時の救護活動の拠点となる消防署や警察署の多くは、耐震等級3で建てられています。
高い耐震等級を取得するメリット
高い耐震等級2、3を取得するメリットはいくつかあります。
安心して生活できる
建築基準法上、一般的な2階建ての住宅は構造計算書提出の義務がなく、簡易的な壁量計算、仕様規定を満たすことで建築確認申請をすすめることができます(建築基準法6条の4)。
ですので、2階建ての木造住宅のような小規模な建物については、建物の安全性を検証するレベルはそれほど高くありません。
一方、耐震等級は、国に登録された第三者機関により客観的に評価されるものですので、耐震性能が担保されている住宅として安心して住むことができます。
実際に、2016年に震度7を2回記録した熊本地震でも新耐震基準(耐震等級1)と耐震等級3の建物の被害状況には大きな違いがあります。
新耐震基準(耐震等級1)の建物では、301棟中181棟の60.1%が無被害であるのに対し、耐震等級3の建物では16棟中14棟の87.5%が無被害でした。
新耐震基準(耐震等級1レベル)の建物では、「倒壊」、「大破」含めて39.9%の建物に被害が生じたのに対し、耐震等級3の建物では12.5%の建物に軽微、小規模な被害にとどまっています。
参照元:「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント(国土交通省)
地震保険料の優遇が受けられる
火災保険とセットで加入する地震保険に加入する人の割合は年々増えています。耐震等級を取得すると等級に応じた地震保険料の割引が受けられます。
【耐震等級割引】
・耐震等級3:50%
・耐震等級2:30%
・耐震等級1:10%
参照元:グラフで見る!地震保険統計速報(損害保険料率算出機構)
指定の住宅紛争処理機関を利用できる
耐震等級を取得し建設住宅性能評価書が交付された住宅は、引渡し後に欠陥が見つかるなどで何らかの紛争が生じた場合、性能評価書記載以外の内容でも指定紛争処理機関(弁護士会等)を利用できます。
参照元:新築住宅の住宅性能表示ガイド(国土交通省)
千葉県木更津市の災害リスクは?
千葉県の中西部に位置する木更津市は、対岸の川崎市と東京湾横断道路(アクアライン)で結ばれる湾岸都市です。
東京湾に沿って走るJR内房線の木更津駅を中心に市街地が広がる木更津市ですが、災害リスクはどのようになっているのでしょう。
揺れやすさマップ
上記の揺れやすさマップは、東京湾北部地震を想定として、木更津市の揺れやすさを示したものです。この画像では分かりませんが、50mメッシュで相対的な地盤の揺れやすさが示されています。
東京湾に面する市北部を中心に非常に揺れやすい地盤(赤色)の割合が多くなっています。
液状化マップ
上記の液状化マップは木更津市の液状化マップを示したものです。
液状化現象は、地震の振動によって地下水の圧力が高くなり地盤が液体状になる現象です。
市の北部を中心に液状化のリスクの高い地域(赤色)が広がっています。
津波の浸水想定
上記の津波の浸水想定は、木更津市の津波による浸水想定地域を示したものです。
JR内房線の西側、東京湾に面するエリアでは、最大1m以上3m未満の浸水深が想定されています。
また、木更津市では、以下の地震を想定した詳細な地震防災マップを作成しています。
・市直下の地震(マグニチュード6.9規模)
・東京湾北部地震(マグニチュード7.3程度)
・三浦半島活動群による地震(マグニチュード7.2程度)
地震防災マップでは、これらの想定する地震に対し、各地域で予測される最大震度や危険度(地域内の建物のうち全壊する建物の割合)をまとめていますので参考にしてみてください。
なお、ハザードマップ等の内容は将来変わる可能性がありますのでご留意ください。
参照元:木更津市WEB版防災ハザードマップ
木更津市・君津市・富津市で注文住宅を建てるなら、R+house木更津にご相談ください
ここまで耐震等級と木更津市の地震災害のリスクについて紹介しました。
注文住宅を建てるうえで、建物の耐震性能と同時に災害リスクを踏まえた土地探しが大切です。
R+house木更津は、昭和36年の創業以来、地域密着で住宅性能にこだわった注文住宅をつくり続けてきました。建物の耐震性についても、プランに関わらず耐震等級3を前提とした提案、家づくりをすすめています。
無料の個別相談や完成見学会も随時開催していますのでお気軽にご相談ください。