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暮らしのポイント
2022.12.26

パッシブハウスを知る5つのポイント

パッシブデザインの家:
パッシブハウスの基本を理解することができます。

目次

パッシブハウスとは

ドイツのパッシブハウス
パッシブハウスとはドイツのパッシブハウス研究所により1991年に確立された性能認定基準を満たす省エネルギー住宅のことです。
 パッシブハウスでは建物の性能を上げることで高性能の熱交換機による空調設備だけでアクティブな冷暖房器具が不要であるという意味から「パッシブ(受け身)という名称がつけられました。日本より北に位置している欧州では主に冬場の暖房器具の仕様を抑えることが主な課題とされているが、高温多湿の日本では暖房だけでなく、冷房と除湿に対する省エネ化を検討することが課題になってきます。
 日本でパッシブハウスは2009年8月に神奈川県鎌倉市にて建築されました。そして、日本ではパッシブハウス・ジャパンが2010年2月に一般社団法人として創設されました。
日本のパッシブハウス・ジャパンではドイツのパッシブハウス研究所と連携し、国内外の研究機関や、国内で省エネ建築施工・設計の最前線にいらっしゃる専門家の方々と連帯しながら、省エネ性能の確立のために活動しています。パッシブハウス・ジャパンでは建築会社に賛助会員を募っており、パッシブハウス・ジャパンの会員になり、省エネ診断士という資格のためのセミナーを行い省エネ建築の普及活動を行っています。
どのような家がパッシブハウスに当たるかは「パッシブハウスの基準」で紹介します。
 

パッシブハウスの基準

パッシブハウスの基準画像
パッシブハウスにはパッシブハウス認定のための基準があり、その基準を満たしているかをパッシブハウス研究所が審査をし、パッシブハウスと認定される資格のような形式をとっています。以下のような基準があります。
 
 

主なパッシブハウスの性能の基準は以下の3点です。

1.    冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下
2.    年間一次エネルギー量が120 kwh/㎡以下
*令・除湿、給湯、換気、照明に家電も含まれます。
3.気密性能として50Paの加圧時の漏気回数0.6回以下(C値換算で0.2㎠/㎡)
 
 
 
パッシブハウスでは省エネルギーハウスというだけあり、「暖かい家」ということが前提条件されており、「住宅を暖かくするために使用するエネルギー」が認定基準に使われているという点がとても大きな特徴となっています。
そのためかパッシブハウスジャパン理事の森みわさんは著書で家のことを「超大型家電」といった表現をしています。
反面、家の構造材や指定はないので、どのような間取りやデザインでもパッシブハウスの基準を満たしており、認定を得ればパッシブハウスとなります。注意しなければいけない点としては間取りは大きくなればなるほど不利になり、細かい部材まで含めた性能の評価を行うので、審査にある程度時間を費やすことになるという点です。
 
 

パッシブハウスの特徴

木製サッシの大開口スライディング
パッシブハウスが省エネに特化した住宅ということは「パッシブハウスの基準」にてご理解頂けたかと思います。それではこれまでに紹介した以外にはどのような特徴があるのでしょうか?一部ではありますが、パッシブハウスの省エネ性を計算する際に算入されているものをご紹介いたします。
 

・日射取得

 日本の性能の基準(BELSなど)の中で計算に含まれない大きな数値の一つではないでしょうか?夏の日射の熱量はこたつの熱量に匹敵すると話している専門家もいらっしゃるほどです。そのような数値はパッシブハウスでは専用のソフトで仮定し、数値として取り入れています。また、隣家やその他の日射を遮るものを障害物としても検討要素に含むので、建築地に即した数値結果を計算することができます。
 このような視点を取り入れると同じ形の家で合っても家が向いている方向や窓の大きさ窓の位置によっても性能数値が変わることがあることがあるので、より精密な設計が必要となります。UA値の性能を上げるためには窓を小さく、窓の数を少なくすればするほど性能が上がりますが、パッシブハウスでは性能だけでなく、日射取得のエネルギーと日射遮蔽のバランスも見ていかなければなりません。

 
 

・気象データ

パッシブハウスでは日射取得などの日射の想定をする中で建築地の気象データを用いて計算をします。そのため、土地ごとに気温の違いもありますが、天候の違いつまり日射量の違いも生まれるため、その土地ごとの検討が必要になってきます。そのように考えると雪も降らず、大きく気温の低下しない千葉県はパッシブハウスの審査に有利になるかもしれません。
 ちなみに木更津市、袖ケ浦市、君津市、富津市のある千葉県の年間の日射時間は2006~2020年の統計結果では年間約1960時間で都道府県格付け研究所による全国日射時間ランキングでは第13位と全国平均より上位に位置しています。

 
 

・換気

断熱性能のUA値には含まれず、Q値に含まれている換気の条件ですが、こちらはパッシブハウスの中では明確に計算されます。計算結果の条件によっては熱交換の換気であればパッシブハウスの基準を超えている家が熱交換のない第三種換気に変更するだけでパッシブハウスの基準を下回る結果が出ています。冬場の換気から熱損失をする割合は15%あり、熱交換を80%で行うと熱損失が3%に抑えられますが、熱交換がないと15%になり、第一種換気を使用しないだけで12%の住宅の断熱性が下がることになります。
 
 

・気密(C値)

以前は省エネ基準として含まれていた住宅内の隙間を計測する気密(C値)ですが、こちらもパッシブハウスの数値計算に含まれています。C値の性能に与える影響としてはC値が2.0ごとに約UA値=-0.1になります。C値=1.0ではがき1枚分の隙間があると言われています。UA値=0.46でC値=1.0、第三種換気を想定し、15%性能が低下すると計算すると「(0.46+0.05)×1.15=0.5865」とUA値の性能が1グレード下がるほどの性能低下になってしまいます。
 
 
 
 

パッシブハウスのメリット

パッシブハウスのメリット画像
パッシブハウスの基準はわかりましたが、パッシブハウスにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
 

・光熱費の節約

パッシブハウス自体の目的が少ないエネルギーで快適な室内空間を維持するというものなのになっていますので、日本の住宅より電気代などの光熱費を節約できます。
省エネ基準の住宅の想定される年間暖冷房負荷とパッシブ水準の年間暖冷房負荷を比較してみます。
 

例:

パッシブ基準
年間暖房負荷15kwh/㎡+年間暖房負荷15kwh/㎡=30 kwh/㎡
 
省エネ基準(6地域)
年間暖冷房負荷290MJ/㎡・年÷3.6=80.6 kwh/㎡
 
年間暖冷房費比較
省エネ基準(6地域)80.6 kwh/㎡÷パッシブ基準30 kwh/㎡=2.69倍
 
 
 
 
このように計算すると数値上ですが、2.69倍省エネ基準の方が冷暖房費がかかります。
パーセントに直すとパッシブ基準は年間の暖房費が約35%で賄えてしまいます。
 
 
 

・快適な室内空間を作ることができる。

先程の冷暖房負荷の数値を実現するために三重にガラスを重ねたトリプルガラスや壁の中の断熱だけでなく壁外部への断熱材の強化や熱交換換気などの断熱性能の強化をパッシブ基準を達成するために行うことによって室内の温度ムラを少なくなるので、快適な室内空間を実現することになります。そうすることにより、体への負担を減るので、ヒートショックなどの室内での事故や病気の予防にも繋がるという研究結果も出ています。
 
 
 

パッシブハウスのデメリット

パッシブハウスのデメリット
 

・一般的な住宅より初期投資が高い

省エネ性能を高める中で性能の良い、断熱材、サッシ、換気部材、などを使用するため、初期投資の費用では一般住宅より金額が高くなる傾向があります。住宅建築後の光熱費などからコスト回収ができるかを検討する必要が出てくるでしょう。
 

・土地の制約が出る

建築地の立地条件も含まれるパッシブハウスでは土地選定の際から「日射取得に有利な土地」かまた「日射取得に不利な土地で費用増加を許容できるか」といった建築の際のトータルコストを考慮しながら、土地選定をする必要性が出てきます。
 

・一般住宅より竣工に時間を要する。

一般住宅より検討項目が多く、精密な審査を要するパッシブハウスでは物件の完成、お引き渡しまでに時間を必要とします。住み始めの時期だけを考慮するだけならともかく補助金も検討される方は補助金取得可能なスケジュールに沿って準備を進める必要があります。
 
 
 
 
いかがだったでしょうか?
2010年に日本で設立されたパッシブハウス・ジャパンですが、2020年の省エネ改正法、UA値等から住宅に性能の必要性があることに気づかれた方が増えている中でパッシブハウスに興味を持たれる方も増えてくるかと思います。
 
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