住宅における換気設備は設置義務がある
日本では住宅における省エネ対策の一環として、断熱性能の向上が目標に掲げられてきました。建物の気密性が向上し、隙間風が入らず外気温に左右されにくい断熱性能が手に入った一方で、新築やリフォーム住宅に入居した方の健康被害が見られ始めたのです。のちに住宅環境が原因であると分かった症状は「シックハウス症候群」と呼ばれ、対策のため2003年7月に建築基準法が改正されました。法改正以降、新築住宅への換気設備の設置が義務付けられています。
シックハウス症候群とは
高気密化した住宅の室内で、建材などから発生する化学物質を吸い込むことによって引き起こされる症状がシックハウス症候群です。ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった揮発性の有機化合物は建具や家具の塗料、印刷インキ、接着剤などから揮発して室内の空気を汚染します。換気が十分でない気密性の高い家で、高濃度の化学物質が含まれた空気を長期間吸い続けることによって、健康に影響が出るのです。
シックハウス症候群の原因は、揮発性のある化学物質だけではありません。気密性が上がった住宅は湿度がこもりやすくなるため、換気が十分でないと細菌やカビ、ダニが繁殖しやすくなります。それらによるアレルギー反応もシックハウス症候群の症状に含まれます。そのほか、以下のような症状がシックハウス症候群によって現れるとされています。
・目がチカチカする
・喉が痛い
・めまい
・吐き気
・頭痛
・鼻水
・湿疹
現れる症状は人それぞれです。同じ部屋で暮らしていても症状が出る人と出ない人がいます。
換気設備は健康だけではなく住まいも守る
2003年以降、シックハウス症候群の対策として新築住宅への設置が義務付けられた換気設備ですが、住宅における換気は住む人の健康にとって大切なだけではありません。
国土交通省の発行している「長持ち住宅の手引き」では、日本国内で取り壊されている住宅は平均築後経過年数が約30年とされています。約55年とされるアメリカの住宅や約77年とされるイギリスの住宅に比べると短い傾向です。国民のライフスタイルや価値観の違いなどがその要因のひとつではありますが、日本特有の温暖で湿度の高い気候による建材の劣化も要因のひとつだと考えられます。
換気が十分ではない住宅では、湿度が室内にとどまることによって、結露が起きやすくなります。特に注意が必要なのが、目に見えない部分の結露です。結露によって水分にさらされている時間が長いと、木材が腐りやすくなったり鉄筋がサビやすくなったりして、住宅の寿命を縮めます。壁や屋根裏、床下といった住宅の外皮の内部結露も意識した換気設備の導入が大切な住まいを守ることにつながるのです。
千葉県木更津市や袖ケ浦市周辺では換気対策はどれぐらい重要?
千葉県木更津市や袖ヶ浦市は東京湾沿いにあるため、海流の影響から比較的温暖な気候です。同じように海の影響で湿度も高くなりがちです。人が快適に感じる湿度は55~65%とされています。千葉県における相対湿度の平均は4月から11月にかけて65%以上(1991~2020年・平年値)。5月から10月は70%以上と特に湿度が高くなります。木更津・袖ヶ浦エリアでも住まいと健康を守り、快適に過ごすためには冬の結露対策だけではなく、夏から秋にかけての湿度対策も必要と言えるでしょう。
換気システムの種類と特徴
住む人の健康や住まいを守る換気システムは、給排気の仕組みによって3種類に分類されます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
第一種換気方式
第一種換気方式と呼ばれる換気システムは、外から空気を取り入れる給気口と室内の空気を外に出す排気口それぞれに換気扇が設置された換気方法です。機械によって強制的に空気の入れ替えができるため、換気システムの中でもっとも空気の流れを制御しやすいという特徴があります。
第二種換気方式
第二種換気方式は、給気口に換気扇が付き、排気は自然におこなうという換気システムです。空気が出ていく力に対して空気が入って来る力のほうが強く、室内の気圧が高くなるため、窓やドアを開けた際にも外からの汚染物質が入りにくくなります。そのため、衛生管理を徹底している病院の手術室や工場、研究所のクリーンルームといった場所で採用されることが多い換気システムです。衛生的な反面、排気の力が弱く室内に湿気が溜まりやすいこともあり、一般的な住宅ではあまり用いられていません。
第三種換気方式
第三種換気システムは第二種換気システムとは反対に、排気口にだけ換気扇が付いた換気システムです。機械によって強制的に排気するため、室内の湿度が溜まりにくく結露対策になるだけではなく、第一種換気方式に比べて導入コストを抑えられることもあり、戸建て住宅やマンションといった多くの住宅で採用されています。
R+House木更津で採用している「第一種熱交換型セントラル換気システム」
R+House木更津では、給気・排気それぞれを換気扇による機械の力でおこなう第一種熱交換型セントラル換気システムであるマーベックス社の「澄家」が標準仕様です。
熱交換で家の中すべてが快適な温度に
第三種方式のような換気システムの場合、室内の快適な温度の空気を捨て、外気の不快な温度のまま室内に空気を取り入れることになります。一方で、「熱交換型」の第一種換気方式では排出する空気の熱を利用して、給気する空気の温度を調整します。澄家の換気システムでは、排気する空気の熱や湿気を再利用することによって、取り込む外気の温度だけではなく湿度も調整し、より快適な空気を室内に届けます。
床に溜まりがちな汚染された空気を効率良く排気
花粉やハウスダストといったアレルゲン物質は床面に溜まりやすいといわれています。澄家では、床面に排気口があるため、より効率的に汚染された空気を排気することが可能です。臭いも下に溜まりやすいため、トイレなどでもいやな臭いを感じにくくなります。
手が届きやすい場所にあるからメンテナンスが簡単
床面にある排気口は排気に適しているだけではありません。壁の高い位置にある一般的な排気口はメンテナンスするにも脚立や椅子を使う必要がありますが、床面に排気口が設置されている澄家は、メンテナンスがしやすいというメリットもあります。
屋外に設置された給気口のフィルターカバーもマグネット式で取り外し簡単。フィルターをさっと外して、屋外でそのまま掃除もできるので、汚れたフィルターを室内に持ち込んでメンテナンスする必要がありません。
R+house木更津こだわりの換気システムを導入した注文住宅
住む人に頭痛や吐き気といった健康被害を及ぼすシックハウス症候群を予防するために重要となる換気設備。健康的に暮らし、湿気や結露から住む家を守り長持ちさせるために、換気システムは必要不可欠です。
R+house木更津ではシックハウス症候群の原因のひとつである、化学物質の使われた集成材を使わずに無垢材を使用しているだけではなく、導入する換気システムにもこだわっています。R+house木更津の家の標準仕様である第一種熱交換型セントラル換気システムは完成見学会やモデルハウスでも体感できます。「換気システムでどのように快適さが変わるのか」「換気設備はうるさくないのか」といったことが気になっている方はお気軽にご参加ください。
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