前回ご紹介したUA値と同じくらい快適なお家づくりをするために知っておきたい数値がありますので、ご紹介したいと思います。
前回、ご紹介したUA値(外皮平均熱貫流率)は
「どれだけ家の表面(外皮)から熱を外へ熱を放出しているか」
という数値なので、「UA値が小さいほど暖かさを逃がさない(性能が良い)」ということでした。
洋服に例えるとUA値が良い家は「ダウンジャケット」などの暖かい防寒着を着ていると考えて頂くと想像しやすいと思います。
「そうしたらダウンジャケット(UA値)さえあれば、暖かい(断熱性能)の状態になれるんだ」と思ってしまいそうですが、
ダウンジャケットもジップを閉めずに着ていると冷たい外気が入ってきて寒いように
お家に関しても目に見えない小さな部分から冷たい空気が入ってきているんです。
この隙間の面積を表すのが今回ご紹介する「C値」こと「相当隙間面積」です。
C値の意味はUA値と比べるととても分かりやすく
「床平米当たりの外皮に空いた穴の大きさを数値化したもの」です。
大体、C値1.0ではがき1枚分隙間がお家にあると言われています。
このように聞くととても大きな穴が開いているような想像をしてしまいますが、
実際には基礎と構造材(骨組みの木材)などの接している小さな隙間などから
空気が入ってきていることがほとんどのようです。
このC値は家を暖かくするUA値(断熱性能)に大きく関係してきます。
それは先程のダウンジャケットの話で簡単に想像できたように
「どれだけ暖かい防寒着を着ていてもその防寒着に隙間が空いていたら
そこから冷たい空気が入ってきてしまい、内側が冷えてしまい、暖かくなくなってしまうということ」なのです。
皆様も冬に行っているように「暖かい防寒着を着て、ジップやマフラー手袋などを使い、冷たい外気が入ってこないように隙間をなくす」という
UA値(断熱性能)とC値(気密性能)を高めることで初めて暖かいお家が完成するのです。
C値はUA値と比べ、長期優良住宅やZEHなどに登場しない数値なので、
重要ではないように感じてしまいそうですが、UA値と同じくらい大切で
UA値とセットで考えなければならない数値なんです。
その他にもC値を高めることは
・壁体内部結露の防止(壁の中の骨組み)
・計画換気の効率化
といったことにも大きく関係し、
「壁体内部結露の防止」=構造材(骨組み)を長持ちさせる(腐敗防止)
「計画換気の効率化」=健康的な住環境の実現
*計画換気の効率化で①室内の汚染物質の排出②臭いやチリの排出③新鮮な空気の供給
上記のお家と家族の健康を両方守ることができるようになります。
お家づくりを考える中で多くのことを比較検討しないといけませんが、
一つ一つ明確に理解して頂き、的確な判断をして頂けたらと考えています。
ちなみに、断熱性能を有効に機能させるために必要なC値の最低限度の値は
「C値=1.0以下」と言われています。
ぜひ、参考に覚えた頂けたら嬉しいです。